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第44回ガスタービンセミナー
終了いたしました。
第44回ガスタービンセミナー開催のお知らせ
「ガスタービンの最新技術と新しい航空機に向けた推進技術の動向」をテーマとして,第44回ガスタービンセミナーを下記の通り開催致します。学会の会員,非会員を問わず,皆様のご参加をお待ちしております。
1.日時:
2016年1月21日(木)9:30~17:15(受付開始 9:00)
22日(金)9:30~17:20
2.場所:
帝京大学板橋キャンパス大学棟本館 4階 403講義室
〒173-8605 東京都板橋区加賀2-11-1(地図)
3.主催: 公益社団法人 日本ガスタービン学会
4.協賛:
エネルギー・資源学会,可視化情報学会,火力原子力発電技術協会,計測自動制御学会,自動車技術会,
コージェネレーション・エネルギー高度利用センター,スマートプロセス学会,ターボ機械協会,電気学会,
日本エネルギー学会,日本ガス協会,日本機械学会,日本金属学会,日本航空宇宙学会,日本航空技術協会,
日本材料学会,日本セラミックス協会,日本鉄鋼協会,日本伝熱学会,日本トライボロジー学会,
日本内燃機関連合会,日本内燃力発電設備協会,日本燃焼学会,日本非破壊検査協会,日本品質管理学会,
日本マリンエンジニアリング学会,日本流体力学会,腐食防食協会,溶接学会
5.セミナープログラム:
テーマ:「ガスタービンの最新技術と新しい航空機に向けた推進技術の動向」
第1日目〔1月21日(木)〕 ※講演時間には質疑応答の時間を含む。
「セッションⅠ:将来航空機推進技術」
(1) 9:40-10:40 航空エンジンへの脱化石燃料適用技術の研究状況
(国研)宇宙航空研究開発機構 小林 弘明 氏
(2) 10:40-11:40 電動航空機推進機の最新研究動向
東京大学 岡井 敬一 氏
「セッションⅡ:航空用エンジンの最新技術(1)」
(3) 13:00-14:00 航空機エンジンの“Geared”化について
川崎重工業(株) 吉冨 守 氏
(4) 14:00-15:00 HF120ターボファンエンジンの制御システム開発
(株)本田技術研究所 河井 圭助 氏
「セッションⅢ:発電用ガスタービンの最新技術」
(5) 15:15-16:15 発電用高効率ガスタービンの開発状況
三菱日立パワーシステムズ(株) 由里 雅則 氏
(6) 16:15-17:15 火力発電所監視制御技術の動向と今後の取り組みについて
(株)日立製作所 清水 悟 氏
第2日目〔1月22日(金)〕
「セッションⅣ:航空用エンジンの最新技術(2)」
(7) 9:30-10:30 JAXAにおけるグリーンエンジン技術の研究開発と展望
(国研)宇宙航空研究開発機構 二村 尚夫 氏
(8) 10:30-11:30 GE Passport 20エンジンの開発
(株)IHI 土屋 直木 氏
「セッションⅤ:ユーザー運用技術」
(9) 12:50-13:50 ガスタービン自家発電設備のユーザー運用技術の紹介
東京ガス(株)/日本ガスタービンユーザー会 寺澤 秀彰 氏
(10) 13:50-14:35 航空機エンジンのユーザー運用技術の紹介
(株)JALエンジニアリング 細川 哲也 氏
「パネルディスカッション」
(11) 14:50-17:20 再生可能エネルギー大量導入時代の系統安定化対応先進ガスタービン発電設備の研究開発
座長 東京大学 渡辺 紀徳 氏
6.セミナーの内容:
(1)「航空エンジンへの脱化石燃料適用技術の研究状況」 ((国研)宇宙航空研究開発機構 小林 弘明 氏)
近年,水素燃料自動車の市販開始や水素ステーションの整備など,水素社会の実現に向けた取り組みが加速しつつある。これを背景に,航空機分野においても,水素燃料の導入に関する検討が行われている。水素燃料は二酸化炭素を排出せず,また単位質量あたりの発熱量が大きい点で有利である反面,高密度貯蔵をどのように実現するかが技術課題となっている。本講演では,水素燃料をはじめとする脱化石燃料を,航空機に適用するための最近の技術研究動向について紹介する。
(2)「電動航空機推進機の最新研究動向」 (東京大学 岡井 敬一 氏)
AirbusのE-fan,JAXAのFEATHERなど小型電動航空機の飛行成功を踏まえ,旅客機の電動推進化に向けた検討が益々活発になっている。まず電動化が実現しつつある小型機と旅客機電動推進に求められる技術の差異についてまとめ,旅客機の推進系が必要とする性能とこれを実現するが未成熟な革新技術で代表的なものを列挙する。その上で,航空機に適用可能な発電分野の技術と合わせ電動推進に関する最新研究状況を示す。
(3)「航空機エンジンの“Geared”化について」 (川崎重工業(株) 吉冨 守 氏)
近年,Pratt & Whitney(P&W)社のGTF(Geared Turbo Fan)エンジンが航空機エンジン商戦において大きなシェアを獲得し話題になっている。このGTFはタービンとファンの間に減速ギア(gear; 歯車)を挟み,それぞれの回転数を最適化することで推進効率を向上すると共にノイズを低減できる航空機エンジンの一形式で,航空エンジン分野のいわゆる“Game Changer”となりうるものである。GTFを含めた“Geared” エンジンのしくみ・利点,求められるギア技術ならびに今後の見通しを述べる。
(4)「HF120ターボファンエンジンの制御システム開発」 ((株)本田技術研究所 河井 圭助 氏)
商用航空機エンジンの制御システムは,耐空性に関する型式認定要件と顧客からの性能要求を両立し商品性を確保することが求められる。小型ビジネスジェット向けターボファンエンジンHF120の開発においては,それらの設計要件に対する制御機能の検証工程で,開発期間短縮と低コスト化のため,シミュレーションを多く活用した。本講演では,HF120の制御システム概要と,シミュレーションを用いた検証手法について紹介する。
(5)「発電用高効率ガスタービンの開発状況」 (三菱日立パワーシステムズ(株) 由里 雅則 氏)
MHPS(株)では国家プロジェクト“1700℃級超高温ガスタービン要素技術開発”の開発成果を活用して,世界初のタービン入口温度1600℃の高効率機M501J 形を開発し,2011 年に実証運転を開始,その後世界で販売,運転実績を重ねている。また,J形の技術に加えて空冷燃焼器を採用したJAC 形の開発も並行して進めている。本講演では,これら最新鋭の高効率ガスタービンの運用状況と開発状況,及び発電用大型ガスタービンの開発動向について紹介する。
(6)「火力発電所監視制御技術の動向と今後の取り組みについて」 ((株)日立製作所 清水 悟 氏)
火力発電所の監視制御システムは,プラントの安定運転への寄与,安全性の確保および適切な自動制御といった基本的な役割に加え,プラント効率の最適化,遠隔監視による運転保守支援やデータ解析サービスなどの付加価値を提供するための中核となっている。今後は,IcT (Information and Communications Technology)を活用して発電所のあらゆる機器がIoT (Internet of Things)でつながり,更に広域ネットワークにつながることにより様々な新しい価値が創出されていくものと考えられる。本稿では,以上のような火力発電所監視制御技術の動向と,将来に向けた課題や取り組みについて述べる。
(7)「JAXAにおけるグリーンエンジン技術の研究開発と展望」 ((国研)宇宙航空研究開発機構 二村 尚夫 氏)
現代社会を地球上にひとまとめにしているのは,超高速情報通信と物流・旅客航空輸送である。国産ジェット旅客機MRJもようやく初飛行の段階に達し,今後 は国内および近隣諸国との往来に活躍するものと期待される。航空エンジンについても同様に,1980年来,日本メーカーの分担・寄与は増大し続けている。我が 国の航空技術開発が目指すところとはなにか,そして如何にすべきか。JAXAが展開し始めているエンジン技術研究開発を通じて,その課題と方法,展望等を明らかにする。
(8)「GE Passport 20エンジンの開発」 ((株)IHI 土屋 直木 氏)
GE Passport 20 はボンバルディア社が開発中の大型ビジネスジェット機Global 7000/8000に搭載されるターボファンエンジンで,エンジン型式承認取得に向けた開発作業が進められている。本プログラムはGE社のパートナーとして(株)IHIが30%のシェア,ベルギーのTechspace Aero社が7%のシェアで参画する国際共同開発事業で,(株)IHIは主に低圧タービンモジュール,ファン静止部の設計・開発・製造を担当している。本講演ではGE Passport 20エンジンのプログラム概要と技術的特徴,エンジン開発状況について紹介する。
(9)「ガスタービン自家発電設備のユーザー運用技術の紹介」 (東京ガス(株)/日本ガスタービンユーザー会 寺澤 秀彰 氏)
ガスタービン自家発電のユーザーが集まり,技術情報交流を通じてガスタービンの運用技術の向上と会員技術の向上を図る目的で1991年日本ガスタービンユーザー会(以下,ユーザー会)が発足した。本セミナーではユーザー会が主催する過去25年間の技術交流会で取り上げられ,改善を進めてきたガスタービン自家発電設備の信頼性向上の取組み,経済性向上を目的に定期点検周期の延長や点検期間の短縮の取組み,最近の話題として老朽化対策などを紹介する。
(10)「航空機エンジンのユーザー運用技術の紹介」 ((株)JALエンジニアリング 細川 哲也 氏)
民間航空機用ジェットエンジンの進歩発展に伴い,ユーザーは信頼性や燃費の向上などその恩恵を受ける事となる。一方で,信頼性の維持のためにエンジンメーカーと協力してエアーライン整備の果たしている役割も大きく,ここでは日本航空でのそれら運用技術について紹介する。また,新技術導入に伴う部品価格の上昇に対してや今後の新技術に対するユーザー視点での要望について紹介する。
(11)パネルディスカッション「再生可能エネルギー大量導入時代の系統安定化対応先進ガスタービン発電設備の研究開発」
座長 渡辺 紀徳 氏 (東京大学)
パネリスト 佃 嘉章 氏 (三菱重工業(株))
渡辺 和徳 氏 ((一財)電力中央研究所)
壹岐 典彦 氏 ((国研)産業技術総合研究所)
伊藤 栄作 氏 (三菱重工業(株))
岸部 忠晴 氏 (三菱日立パワーシステムズ(株))
米澤 克夫 氏 ((株)IHI)
合田 真琴 氏 (川崎重工業(株))
齊藤 大蔵 氏 ((株)東芝)
黒瀬 良一 氏 (京都大学)
石原 洋史 氏 (東京大学)
岡崎 正和 氏 (長岡技術科学大学)
筧 幸次 氏 (首都大学東京)
原田 広史 氏 ((国研)物質・材料研究機構)
二酸化炭素排出量削減に向けた発電分野への再生可能エネルギーの大量導入は,社会・経済活動の持続的な発展のために有力な選択肢であり,政策的にも進められている。その一方で,日照や天候等によって発電量が大きく左右される再生可能エネルギーが電力系統の中で大きな割合を占めると,電力の需要と供給の時間的なギャップが非常に大きくなり,系統における電力品質が担保できなくなる問題が認識されている。このような電力需給ギャップを解消し,再生可能エネルギーの導入を促進する有効な手段として,出力調整の容易なガスタービン発電が大いに期待できる。しかし,技術的な視点からは,ベースおよびミドルロード電源の供給用として開発されてきた現状の発電用ガスタービン技術では,今後,より顕在化する大幅かつ急激な電力需給ギャップの問題を解消することは難しい。
係る状況を踏まえ,日本ガスタービン学会では調査研究委員会を設置し,産業用ガスタービンの研究開発を検討してきた。その成果を踏まえ,NEDOエネルギー・環境新技術先導プログラムに「再生可能エネルギー大量導入時代の系統安定化対応先進ガスタービン発電設備の研究開発」を提案し,2015年2月に採択された。当該本事業では,長時間の定格運転を前提とし,熱効率の向上を狙ってきたこれまでのガスタービン発電設備の技術を基盤としつつもその延長線ではなく,始動性や負荷追従性を重視し,過渡応答性に優れ,繰返し負荷に耐えるガスタービン発電設備の実現に向けた開発課題の明確化を行う計画である。急激な負荷変動への対応は,定格負荷で最高効率を狙うピンポイントでの性能から,様々な状況に柔軟に対応できる運用性を向上させた状態での性能を重視するという設計思想の転換になるため多くの技術課題が生じうるが,本事業ではいち早く着手すべき課題として以下を取り上げ,調査・検討を行う計画である。
A. 急速負荷変動のガスタービンプラントへの影響検討・評価
B. 負荷変動を吸収するもしくは負荷変動に対するマージンを拡大する技術
C. 負荷変動に急速に追従する技術,急速起動を可能にする技術
D. 負荷変動を予測して発電量を変化させる技術
E. 過渡応答,繰り返し負荷による材料劣化への対応技術
本パネルディスカッションでは研究成果を紹介し,討論を行う。
7.参加要領:
1)参加費(税込):◆主催および協賛団体会員 2日間 27,000円 1日のみ 19,440円
◆学生会員 5,400円
◆会員外 2日間 37,800円 1日のみ 27,000円
◆会員外(学生) 8,640円
◆資料のみ 1冊 5,400円(残部ある場合)
2)申込方法: 申込書に所属,氏名,加入学協会名,GTSJ会員は会員番号等必要事項を明記の上,
下記事務局宛2016年1月19日(火)までにお送り下さい。(締切延長いたしました。)
こちらのホームページからも申込ができます。
また,参加費につきましては2016年1月20日(水)までに以下の方法にてお支払い下さい。
支払い期日に間に合わない場合には 事務局までご連絡ください。
・郵便振替 00170-9-179578
・銀行振込 みずほ銀行 新宿西口支店 (普)1812298
・現金書留
* 口座名はいずれも,「シャ)ニホンガスタービンガッカイ」です。
3)事務局: 公益社団法人 日本ガスタービン学会
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-5-13-402
Tel.03-3365-0095 Fax.03-3365-0387
URL. http://www.gtsj.org
資料集・ネームカードは当日受付にてお渡しします。